ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
「で?あんたはそれで幸せなわけ?」
「っ……」
「幸せじゃないから、幸せそうな美乃里ちゃんを見て、悔しいとか思うんじゃないの?」
「そ、そんなことっ……」
「蜜と美乃里ちゃんが幸せそうなのが許せなくて、どうせ壊そうとか思ったんでしょ?」
は?
なんだよ……それ。
「残念ながら、蜜はそんな簡単じゃないし、あたしもあんたみたいな根性の悪い女、大っ嫌いだわ」
「っ……」
俺が思ってること、全部透子が言ってしまった。
「蜜、帰るわよ。こんな女と同じ空間にいるだけで寒気がする」
さっさと車に戻る透子。
悔しそうにうつむいて、動こうとしない加央里ちゃん。
「……加央里ちゃん」
――ビクッ
「俺も正直透子と同じ気持ち。美乃里の幸せを崩そうとするやつは誰だって許さない。たとえ姉でも」
「っ……」
「これだけは覚えといて。美乃里に何かしたら、俺が許さないから」