ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
救いの手-美乃里Side-
「美乃里、これご飯。ちょっとでもいいから食べて」
「……」
「ゼリーとかも冷蔵庫いれてるし、食べれるだけでも……」
「……」
「美乃里……」
ずっとだんまりなあたしに蜜くんの悲しそうな声が届く……
こんなあたしなんて見捨てていいのに。
もういらないって捨てていいのに。
面倒なこんなあたしなんて……
「美乃里、俺、学校行ってくるな。また昼に来るから」
なんて嘘。
本当はこうやって毎日来てくれてることが嬉しくて仕方ない。
まだ捨てられてないって思って安心してる自分がいる。
でも今さらどんな顔をすればいいの……?
勝手に暴走して、勝手に自分の殻に閉じこもった。
いまさら合わせる顔なんてない……
蜜くんが部屋を出て行った後に、すぐに冷蔵庫の中を確認する。
あたしが好きそうなものばかり。