ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
なのにこの人は、そんな責任まで一緒に背負ってくれようとしてくれてる。
それだけで十分じゃない。
なんで気づいてあげられなかったの……?
蜜くんも一緒に、あたしとこんな暗い闇の中で闘ってくれてたことに……
「……怖かったの」
「え……?」
「ずっとずっと小さいころから、あたしが好きなものや欲しいものは姉に取られた」
「うん……」
こんな話、一生誰にもすることないって思ってた。
「ちゅ、中学生の時、初めて人を好きになった」
「ん」
相手は一つ上の部活の先輩。
「加央里はそのことに気づいて、いとも簡単に先輩の彼女の座を射止めたの」
そこからは毎日が悪夢のような日々だった。
「い、家に帰った毎日のようにいるの。先輩と楽しそうに笑う加央里が」
「……」
「頭では仕方ない。加央里の方が素敵な子だってわかってたから諦められた。でも……」
そう思ってても感情はぐちゃぐちゃだった。