ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
「美乃里……」
何度も何度も名前を呼んで、美乃里が自分の腕の中にいることを確認する。
「美乃里、聞いて」
「……」
「俺、美乃里のことが好きだよ」
美乃里の体がピクリと反応したのがわかった。
「美乃里だけが特別に好きなんだ。他なんていない。美乃里が好きだ」
「……んで」
「……え?」
「なんでこんなあたしなんかのこと……」
久しぶりに聞いた声。
すごく懐かしく感じて、それだけで嬉しくて涙が出そうになる。
「理由なんかいるわけ?」
「え……っ……」
理由なんていらないんだ。
好きになったのだって気づいたらそうなってた。
そんな簡単に言い表せる感情じゃない。