ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
「やっと美乃里が戻ってきた……」
「っ……」
情けないけど、涙が出そうだ。
本当はすごくすごくこわかった。
俺の好きになった美乃里は、美乃里が無理をして作ってた彼女自身だったんじゃないか?
あのまま美乃里は自分の殻から出てこないんじゃないか?
そして結局は……そんな大好きな美乃里が俺のそばにいなくて、俺は俺でいられるのか。
最低だよな。
こんな時でも結局俺は自分のことばかりだ……
俺は、美乃里なしでは本当にダメなやつになったのかもしれないな。
「お帰り、美乃里」
「た、ただいまっ……」
ギュッと抱きしめていると、一時してスースーと寝息が聞こえてきた……
眠ったか……?
安心したようにすやすやと眠っている美乃里。
きっとずっとちゃんと眠れてなかったのだろう……
クマなんて作って……
「ゆっくりおやすみ」
そう言って頬にキスを落とす。