ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~



「遅くなってごめんね。」


そう言ってお隣さんに笑いかけた。


「頼まれた物が近くのスーパーに売ってなくて」



スーパーの袋を持っていたから、ちょうどいい理由ができた。



「で?おじさん誰?」


驚いたように立っているおやじをにらむ。


「えっ、あっ、僕はっ……」


しどろもどろになるおやじを黙って睨み続けると、汗をぬぐうようにして後ずさりをする。


「これ以上変な勧誘すると、警察に通報するよ」


「ち、違うっ!僕は……」


「美乃里、中に入ろう」


お隣さんの肩を抱き、部屋に入れる。


おやじはただうつむいていた。


部屋に入るとすぐに頭を下げてくるお隣さん。



そして何を考えたのか、夕食をごちそうするなんて言ってきた。



こいつ、バカか?


さっきあんなことがあったのに、学習しないやつだ。



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