ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


「だって……」


だって……


ほんの数メートル先にいる加央里。


「お前散々気があるそぶりしてて、ふざけんなっ!!」


「あんたが勝手に勘違いしたんでしょ!?」


「っ!調子のんなよっ!!」



相手の男が加央里めがけて手を振り上げた。


「っ!!加央里っ!!」


とっさにかばおうと足が前に進む。



――パシッ


っ……


「あんたさ、さすがに女に手をあげたらダメだろ」



蜜くん……


間一髪で蜜くんが加央里とその男の人の間に割って入ってその手を止めた。


「つーかあんた、こんなとこでケンカしてて注目の的だぞ?」


「っ―!!」


そう言うと男の人は周りを見渡し、蜜くんの腕を振り払って逃げていった。



ひ、ひとまずよかった……


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