ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


でもそれと同時に悟った。


友達や彼氏に心を許しちゃダメ。


あんなの、全部が全部ただの作り物だ……


それからは仮面のような笑顔を張り付けた。


ずっと笑って、ずっとみんなに好かれるようなあたしを演じた。



だから友達もたくさんできた。


あたしを好きだという人は絶えず、彼氏も絶えなかった。



あぁ、これでいい。


あたしは幸せだ……



そんな時に出会った彼。


「あんたさ、その笑顔気持ち悪い」


「……え?」


初めて図書室で会った先輩。


まさかの言葉に、何も言えなくなった。


それなのに、どこかで彼に惹かれた。



ずっと誰も気づかない。


親ですら気づかない私の仮面に、初めて気づいてくれた人だと思ったから。



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