ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


――――――――――……


「真人、コーヒーでいい?」


「あぁ」


我が家で放課後ゆっくりするのがあたしたちのデートになっていた。


真人を離したくないあたしは、体でつなぎとめることしか思いつかなかった。


「真人、部屋行こう?」


「いや……でもさすがに誰か帰ってきたら……」


「両親とも遅いから大丈夫」


「そうじゃなくて……」


「ただいまー」


っ……


「あっ、先輩来てたんですね……」


「あ、あぁ……」


リビングのドアを開けて、固まっている美乃里。


なんで真人、こんなにわかりやすいのに気付かなかったんだろう……


こんなに美乃里、真人を切ない目で見てるのに……



真人、美乃里に彼氏なんているわけない。


美乃里は、きっと真人が好きだった。


いや、いまだに大好きなはず。


そして、真人もまだきっと……




< 366 / 380 >

この作品をシェア

pagetop