ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
「はぁ―……」
呆れたようにため息をはいて、あたしが今まで座っていた席に座る男。
こ、怖い……
あんまりかかわらないようにしよう……
――トントン
「ねぇねぇ、あんたさ、どこ中出身?」
あっ……
後ろから肩を叩かれて振り向くと、そこにいたのはさっきのかっこいい女の子。
「あ、あたしここら辺の中学じゃなくて……」
「へぇ、引っ越してきたの?」
「まぁ―……」
なんかフレンドリーな人だな―……
「あたし皆森海[みなもりうみ]。よろしく」
「えっ、あっ、よろしく」
差し出されて手におずおずと手を差し伸べる。