黒愛−2nd love−
久美は学力優秀な特待生だから、
当てられても困らない。
私は久美みたいに問題を解けないけど、やっぱり当てられても困らない。
授業開始の鐘が鳴り、男性ホルモン過剰オッサンが入ってきた。
下らない世間話で授業が始まり、
それからいつもの通り、難しい問題を黒板に書きだした。
毛深い右手を宙にさ迷わせ、
ホルモン教師が女子を物色し始める。
彼が選んだのは、私だった。
「黒田さん、前に出てこの問題を解きなさい」
“解きなさい”と言いながら、
S気あふれるキモイ目が
「解けないだろう?」と言っていた。
ななめ前の席で久美が慌てている。
私に解答を教えようとノートを渡してくれるけど、
ホルモン教師に見つかって注意されてしまった。