黒愛−2nd love−
ここから出て来たということは、きっと生徒会メンバーなのだろうけど、
彼は瓶底眼鏡でも七三分けでもなかった。
端正な顔立ちは、どこか西洋的。
無造作に散らした焦げ茶色の髪が良く似合っていた。
ネクタイを緩めてブレザーを着崩していても馬鹿には見えず、
ワイルドで男らしい魅力に溢れている。
胸がドキドキして、顔が熱くなる。
彼を見上げて放心していると、
切れ長の茶色の瞳がスッと狭められた。
転んだ私に向けられたのは、冷たくてナイフみたいに鋭利な視線。
白いセーラー服の下で、肌が粟立っていた。
その目に、顔に、体に、存在にゾクゾクして、
胸の黒い炎が一気に燃え上がった。
転校したのは正解だった。
こんなにも早く出会えるなんて。
ミツケタ――
彼が私の、運命のヒト。