黒愛−2nd love−
学園のサラブレッド的お嬢様というわけか……
彼を叱り付けていたが、二人は一体どういう関係なのだろうか?
疑問は疑問のまま終わってしまった。
生徒会室で電話のベルが鳴り、
「沙也子さん、お電話です」
と女子生徒に呼ばれてしまった。
「これで失礼させてもらうわ。
カナタがぶつかったお詫びは、後日きちんとした形でさせてもらうわね」
そう言い残し、彼女は生徒会室に戻って行く。
お詫びしてくれるなら、運命の彼にしてもらいたいところだけど、
きっと彼女がするのだろう。
案内人の山田さんに先を促される。
それを無視して、閉まったドアをジッと見ていた。
考えていた。
彼女は私の敵か、それとも利用価値のあるコマなのかを……
――――……