黒愛−2nd love−
 


問題集を端に寄せ、ノートパソコンを私の方にずらす。



「怪しいカキコミあったの?」



期待を込めてそう聞くと、
久美は笑いながら首を横に振った。



「ごめん、違うの。

全然怪しくないけど、このポエムが可笑しくて、アハハッ!」




久美が笑っていたのは、

今夜新しく立てられたばかりの掲示板。



『ピュアな気持ちをポエムにしてみましょう』


という、鼻で笑いたくなるタイトルだった。



その掲示板を立てたスレ主
“マリアンヌ”は、

1件目のレスに、自作のポエムを書き込んでいた。




―――――――――――
1:マリアンヌ 7/1 20:26


〜愛しいアナタへ〜


本に囲まれた空間に
今日もアナタは来て下さいました。


静かに読書するアナタを見つめる時が、私の幸せタイム。


アナタが帰ったあとは、
同じ席に座り、こっそり同じ本を開いてみるの。


ページに触れて、私は本に話しかける。


「本の中の妖精さん、お願いがあります。

シャイで言えない私の言葉を、
代わりにあの人に伝えてもらえますか?

好き好き、大好き、アイラブユーと……」

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