黒愛−2nd love−
プレゼントを手にした彼は、
マリアンヌの元へ戻って行った。
私は叶多くんにもう一度メールする。
『30分後、また画像を送るから。
今度はきっと楽しいよ。
期待してマッテイテ』
遊び疲れた客達が、ゾロゾロと帰り出した。
ドリームランド内は、急に人がまばらになる。
空は茜色。
細くたなびく雲が朱に染まり、
綺麗だった。
休憩して足の痛みも癒えた久美が、
「そろそろ帰る?」と聞いてきた。
時計を見ると、17時半。
本田卓也がマリアンヌを連れて観覧車に向かったのが、15分前。
一周20分の観覧車。
そろそろ頂点に達して、
プレゼントを渡している頃かも知れない。