黒愛−2nd love−
ニッコリ笑って久美に提案する。
「最後に観覧車に乗ろうよ。
ふたりで観覧車から夕陽を見るなんて、ロマンチックだよね!」
大きく頷く久美と手を繋ぎ、
観覧車へ向かった。
はにかんだ笑顔を見せる久美。
何かを期待して、頭の中でユリ妄想を繰り広げているようだ。
一方私の頭の中は、マリアンヌ達の今の状況を想像中。
「これ、僕の気持ち。
開けてみて……」
そう言って、本田卓也がプレゼントを渡した。
頬を染めるマリアンヌ。
ラッピングを解いて、箱の蓋を開けようとしている。
ドキドキ、ワクワク。
箱の中は何だろうと想像するよね。
指輪?ネックレス?
それとも……
『君が好きだよ』と書かれたメッセージカード?
期待に胸を膨らませるマリアンヌ。
彼女の心の風景はきっとこんな感じ。
心の中にお花が咲いて、
天使がラッパを吹き鳴らしている。
森の動物さん達が、マリアンヌを祝福しに集まってきて、
本の妖精ジョセフィーヌは、
「ほらね、おまじないの効果バツグンでしょ?」
得意顔でそんなことを言っている。