黒愛−2nd love−
 


久美と私は、それぞれ別の想像をしながら、笑い合っていた。



観覧車まで後50メートル。



近づくにつれ、その大きさを
ヒシヒシ感じる。



上を見上げる首が、痛くなりそうだ。



久美が私に聞く。



「何色のゴンドラに乗りたい?
私は水色がいいな!」



「水色は駄目。赤がいい。

鮮血みたいに真っ赤なヤツ。
フフフッ」



「愛美……?」




マリアンヌ達が乗っているゴンドラは、どれだろうと考える。



きっと赤。

赤がいい。



赤いゴンドラの中で、マリアンヌはプレゼントの箱を開ける。



中に入っていたのは、

アクセサリーでも、好きだという言葉でもない。



入っているのは、

叶多くんにもらった折りたたみ式ナイフと、手紙。




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