黒愛−2nd love−
マリアンヌは、ゴンドラの中で突っ立っていた。
手には、血に濡れたナイフ。
ピンクのスカートも、リボンも、幼稚な顔も、
全身が返り血で真っ赤に染まっていた。
大きく開いた目が一点を見つめ、
荒い呼吸を繰り返している。
久美は腰が抜けて、
震えながらその場にしゃがみ込んだ。
あちこちから悲鳴が上がり、
逃げ出す女性客もいた。
私は……
想像以上の、派手に血が流れた光景に興奮していた。
早く叶多くんに見せたくて、
夢中で撮った動画を、すぐに送信した。
一分後、彼から返ってきた言葉は、
もっと私を興奮させた。
『スゲーおもしれぇ。
良くやった。
今晩、寮の俺の部屋に来い。
朝まで、気絶するほど愛してやるよ――』
―――――……