黒愛−2nd love−
そんな私の意識を、再び会議に引き戻したのは、
やっぱり沙也子だった。
彼女はお茶を上品に一口飲んでから、地味男の意見を却下した。
「いいえ。それも考えたのだけど、根本的な解決にはならないと思うの。
私は、クロアイが誰なのか知りたい。
クロアイに直接聞けば、全てが解決するわ。
専門家に依頼するのは、どうかしら?
クロアイがこの学園の生徒なのは確かですもの。
スマホやパソコン、どの端末から書き込まれた物かを調べれば、すぐに正体を掴めるわ。
調査をプロに任せましょう。
資金が足りないなら、三ノ宮家が援助します」
ギクリとした。
ここが金持ち学園だという意識はあったが、
まさかプロに調査依頼されるとは思わなかった。