黒愛−2nd love−
 


沙也子は反対意見でも、遠慮せずに言えと言った。



それは心が広いからではなく、

自分の考えに絶対的な自信を持っているからだ。



どうあっても大金払って専門家に調査依頼し、

クロアイの正体を掴む気だ。




冷や汗が一筋背中を流れる中、

立ち上がって、沙也子の意見に反対した。




「沙也子さんは、すぐにお金で解決しようとするのですね。

庶民の私に、その感覚は理解できません。


それって、自分達ではどうにもできないと認めたようなもので、悔しくないのですか?


お金でプロを雇う前に、まずは自分達で調べるべきだと思います。


そうしないと……生徒会は脳みその足りない、金だけの集団だと言われちゃいますよ?」




沙也子と睨み合う。



内心は焦っていたけど、強気な態度は崩さない。



おどおどビクビクして私らしくない態度を見せれば、

沙也子に感づかれてしまいそうな気がしていた。




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