黒愛−2nd love−
沙也子の意見をこき下ろした私に、
目をつむっている叶多くん以外の、全員が敵意のこもる視線を向けていた。
ここで引くわけにいかない。
そう思い、一人で頑張っていると、叶多くんが口を開いた。
寝ていると思ったけど違うみたい。
目を閉じていただけで、話の内容はしっかり聞いていたようだ。
「クロアイ探しを、こいつにやらせてみればいいじゃねぇか」
彼はそう言った。
沙也子が厳しい目線を彼に向ける。
叶多くんはあくびをしてから長い足を組み直し、
沙也子と私を交互に見て、
ニヤリと笑った。
「愛美、言い出したからには、お前が調べろ。
庶民は無能じゃないんだろ?
クロアイの正体を暴いて、俺の前に連れて来い」