黒愛−2nd love−
久美の気持ちは良く分かる。
愛のためなら、自分を犠牲にしてもイイという気持ちが。
私も……叶多くんとの愛のためなら、何を犠牲にしてもイイ。
自分も、他人も、世界が崩壊したって構わない。
強い北風が吹き、私の黒髪を横に流して、
薄ら笑いを隠してくれた。
正門に背を向けて歩きだした時には、
久美のことなど、頭の片隅に追いやってしまった。
今一番考えなければならないのは、どうやって聖夜祭をぶち壊すかだ。
中止に出来ないなら、壊すしかない。
沙也子の思い通りになんて、
絶対にさせないカラ。
――――……