黒愛−2nd love−
ムカつくお嬢様の代表格、ルリコが一歩前に出て私に言った。
「愛美さんは、お茶会が招待制ということをご存じないのかしら?
あなたや久美さんが招待されることは、有り得ないのよ。残念ね」
ルリコは理由を言わないけど、私と久美を一まとめにしたということは、
庶民だからと言われたも同然だった。
縦巻きロールのキモイ髪に指を絡め、馬鹿にしたようにクスクス笑っている。
ルリコの後ろで他の女子達も口々に言う。
「愛美さん達にとっては、選ばれる可能性がなくて良かったんじゃない?」
「招待されても、着ていくお洋服がないでしょう?」
「きちんとしたお茶会だから、安物ワンピースじゃ駄目なのよ。オホホ」
金と権力に全ての価値があると思っている馬鹿なお嬢様たち。
哀れみも感じるけど、言われっ放しで黙っている私ではない。
反撃開始……と思った時、
「失礼いたします。生徒会からのお知らせです」
入口から品のある声がして、三ノ宮沙也子が入ってきた。