黒愛−2nd love−
庶民を馬鹿にして笑っていたお嬢様たちが、途端にしおらしくなる。
ランチに出かけようとしていた男子生徒も、席に戻ってきた。
三ノ宮沙也子は皆を見回してから、教壇の前で話し始めた。
「お昼休みにごめんなさいね。
少しだけお時間拝借します。
皆様ご存じだと思いますが、もうすぐお茶会が開かれます。
本日は、その招待状を持って参りました」
「キャア」と歓声が上がった。
心待ちにしていた瞬間に、クラスメイト達は興奮していた。
「お静かに。沙也子さんのお話の最中です」
厳しい声でそう言うのは、沙也子の隣に立つ女子生徒。
初めて見る顔だが、きっと彼女も生徒会メンバーなのだろう。