黒愛−2nd love−
その赤い光は、ステンドグラスの光だった。
近くを車が通過して、
そのヘッドライトの光が、ステンドグラスに当たったのだ。
車の光……
車!?
叶多くんが毛布を跳ねのけ、
飛び起きた。
私を立ち上がらせて、背中に隠す。
静かな教会に、車のエンジン音がハッキリと聞こえていた。
それは確実に、こっちに向かっている。
教会前に停車した気配がして、
続いてバタンとドアの閉まる音が聞こえた。
その後は車のエンジン音が遠ざかり、
静けさが戻った。
静かになっても、叶多くんは緊張を解かない。
私を背中に隠したまま、
鋭く教会の扉を睨みつけている。
ギギギィィ……
軋んだ音を響かせ、扉が開けられた。
入ってきたのは、真っ赤なドレスを着た女性が一人……
そう、三ノ宮沙也子だった。