黒愛−2nd love−
 


「え?」


三ノ宮沙也子は驚いた顔をして、

隣にいる子分みたいな生徒会女子は、目を吊り上げた。



「愛美さん、おやめなさいよ!
私達のクラスで、恥ずかしいことなさらないで!」



ルリコが駆け寄って、私の腕を掴む。


その手を振り払い、沙也子との距離を一歩つめた。



「生徒会長さんが私にぶつかって転ばせた時、沙也子さんは言いましたよね?

このお詫びは後日きちんとするって。

そのお詫び、まだもらってないですよ?」



お詫びとして、招待状を要求していた。


あの時、叶多くんではなく沙也子にお詫びされても嬉しくないと思ったけど、

ちょうどいいから、今使わせてもらった。



ニッコリ笑って片手を出し、
招待状を催促する。


「おやめなさい」と煩いルリコを無視して、言葉を続ける。



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