黒愛−2nd love−
「まさか…… 副会長の三ノ宮沙也子さんともあろう方が、一度口にした約束をナシにするつもりデスカ?」
さらに距離を半歩縮めた。
口元だけ笑みを浮かべる私と、
ジッと真顔で視線をぶつける沙也子。
探るように私の目をのぞき見て、
それから彼女はお嬢様スマイルで微笑んだ。
「そうね、お詫びが遅れてごめんなさいね。
愛美さんがそれがいいとおっしゃるなら、お茶会にご招待するわ」
沙也子は子分的生徒会女子から、
宛名の書かれていない白い封筒を受けとった。
筆ペンを取り出し、立ったままサラサラと私の名前を書き込んだ。
渡された招待状を見て、ほくそ笑む。
「では3名の方、当日お待ちしております」
沙也子は軽く会釈して、教室を出ていった。