黒愛−2nd love−
久美が駆け寄って、私に抱きついた。
「びっくりしたよー!でも良かったー。
愛美と一緒ならお茶会も怖くない。ありがとう!」
無理やり招待状を手に入れたのは、
久美のためじゃなく、叶多くんに近づくためだ。
きっとお茶会で、彼と私の距離はグンと近くなるはず。
無邪気に喜ぶ久美と、お茶会での叶多くんを想像してニヤつく私。
それを邪魔するのは、ムカつくお嬢様たち。
彼女たちはさっきの私の行動を、口々に非難する。
「恥さらし」
「品がない」
「これだから庶民は……」
何を言われても、負け犬の遠吠えにしか聞こえない。
キャンキャン鳴き続けるお嬢様たちを無視していると、
唯一招待状をゲットしたルリコが「まぁまぁ」と宥め始めた。
「庶民が招待状を手にしても、きっと当日後悔することになるわ。
どんな衣装で来るのか、見ものよね」