黒愛−2nd love−
 


久美が駆け寄って、私に抱きついた。


「びっくりしたよー!でも良かったー。

愛美と一緒ならお茶会も怖くない。ありがとう!」



無理やり招待状を手に入れたのは、

久美のためじゃなく、叶多くんに近づくためだ。


きっとお茶会で、彼と私の距離はグンと近くなるはず。



無邪気に喜ぶ久美と、お茶会での叶多くんを想像してニヤつく私。


それを邪魔するのは、ムカつくお嬢様たち。


彼女たちはさっきの私の行動を、口々に非難する。



「恥さらし」

「品がない」

「これだから庶民は……」


何を言われても、負け犬の遠吠えにしか聞こえない。


キャンキャン鳴き続けるお嬢様たちを無視していると、

唯一招待状をゲットしたルリコが「まぁまぁ」と宥め始めた。



「庶民が招待状を手にしても、きっと当日後悔することになるわ。

どんな衣装で来るのか、見ものよね」



< 32 / 311 >

この作品をシェア

pagetop