黒愛−2nd love−
ルリコの姿も目に入った。
私と久美より華やかな衣装で、男子生徒に話し掛けられていた。
一方、私と久美には誰も寄ってこない。
会場に足を踏み入れた時、あちこちから視線を感じたけど、すぐに興味を逸らされる。
「なんだ、庶民か」
そんな言葉が聞こえてきそうな雰囲気だった。
それについては、別にムカついたりしない。
雑魚に寄ってこられても、こっちだって迷惑。
狙いは一人。
春成叶多くんだけ。
間もなく、お茶会開始の時間だった。
純白のテーブルクロスが掛けられた丸テーブルに着席する。
私の右隣には久美、左隣にはルリコ。
ルリコは同じテーブルであることが不満みたいで、嫌そうな顔してぶつぶつ文句を言ってくる。
「本当迷惑ですわ。
誰のお陰でこの場に相応しい姿でいられると……」
ルリコの文句を完全無視して、キョロキョロしていた。