黒愛−2nd love−
企み通り、パニックになるお茶会。
三ノ宮沙也子を助けようと、大人や坊ちゃん達が集まり、猫と格闘していた。
大人達が出払ったテーブルには、叶多くんだけが座ったまま動かない。
テーブルに片肘を付き、片手で顔を覆っている。
表情は見えないが、肩が小刻みに震えているところを見ると、どうやら笑っているようだ。
邪魔する者は誰もいなくなり、
ゆっくり彼に近づいた。
高鳴る鼓動を抑えて、真後ろに立つ。
「叶多くん」
名前を呼ぶと、彼の肩の震えが止まった。
笑うのを止め、体半分後ろにひねり、私を見る。
「お茶会なんかに参加したくなかったんでしょ?
逃げるなら今のうちダヨ」
ニッコリ笑う私に、鋭い眼光が浴びせられる。
初めて会った時と同じく、力強い眼差し。
そんな目で見られると、体の奥からゾクゾクと甘美な刺激が押し寄せてくる。