黒愛−2nd love−
この学園で庶民を馬鹿にしなかったのは、彼だけだ。
やっぱり私達は運命の恋人同士なのだと確信して、嬉しくなる。
彼の後について木立に分け入る。
パーティー会場の人工的な庭と違い、手入れされていない森の中は薄暗く歩きにくい。
置いて行かれないように、頑張って付いて行った。
パーティー会場から大分遠ざかったところで、彼が立ち止まる。
適当な木を選び、私を座らせた。
幹に背をもたれて足を伸ばすと、私の太ももを枕に、彼が地面に寝そべった。
素敵な瞳を閉じ、すぐにスースーと規則正しい寝息を立てはじめる。
涼しい風が彼の前髪を揺すっていた。
私はどっぷり幸福感に浸っていた。
こんなに間近で、じっくり顔を見られるなんて……
整った顔も素敵だが、スラリと長い手足も素敵。
黒いTシャツ越しに大胸筋の盛り上がりも見えて、けっこう筋肉質だということを初めて知る。