黒愛−2nd love−
“春成叶多に近づくな”
その言葉に笑うのをやめて、スッと真顔を作る。
桜子は一瞬ひるみ、足を引いた。
彼女との距離を半歩つめて私が言ったのは、
文句ではなく、お礼の言葉。
「注意をどうもありがとう。
お陰で的をしぼることが出来て、とっても助かるヨ」
「は?」と聞き返す彼女を無視して、背を向けて歩き出した。
叶多くんに近づいたことを注意するなんて、
なんて馬鹿な女だろう。
私の恋路を邪魔するヤツは、
ハイジョする。
ターゲットは中野桜子に決定。
生徒会、生活指導部長のポジションに欠員を出してアゲル。