黒愛−2nd love−
「この状況は……
まさか、あのウワサが本当だったということなの……?」
噂をデマだと決め付けていた桜子にとって、この状況はショックだったみたい。
ソファーの上に散乱した物的証拠に、驚いて固まっている。
その様子をロフトからじっと見下ろし、私はニヤリ笑った。
驚くのは、まだ早い。
ショックを受けるのも……ネ。
手にしているのは、透明な長い糸。
ビーズアクセサリーを作る時に使うやつだ。
その先にはビーズじゃなく、
茶色にうごめく小さな生物、
毛虫を結わえてある。
毛虫付きの糸を、ロフトからゆっくり垂らしていった。
桜子はまだソファーを見つめて、
固まっている。
そんな彼女の目の前に、
毛虫くんがひょっこり顔を出す。