黒愛−2nd love−
 


「キャア!」と叫んで、
桜子が毛虫を払いのけた。


払われても、糸で結ばれた毛虫が床に落ちることはない。



桜子が叩いたことで糸が食い込み、ちぎれかけた体を揺らして、再び桜子の前に戻ってきた。



慎重にタイミングを見て、私は手の中の糸を緩めた。


すると毛虫が、セーラー服の衿元から中に、ポットリと入ってしまった。



桜子の悲鳴が、ログハウスに響き渡った。



笑いたい気持ちを抑えて、次々と糸を垂らす。


毛虫くんの次は、いも虫くん。
その次はムカデくん。



糸にぶら下がった虫達が、次々とセーラー服の胸元や背中に侵入して行った。



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