黒愛−2nd love−
ジョキン ジョキン
◇◇◇
数日後――
外は雨。
空は一面の黒い雲。
うっとうしい長雨に生徒達はうんざりしているが、私の心は晴れやかだった。
放課後久美と別れて、一人エレベーターに乗り込んだ。
もらったばかりのカードキーをスライドさせ、5階フロアに下り立つ。
絨毯じきの廊下を歩き、生徒会と書かれたドア前に立つ。
ノックすると、「どうぞ」と
三ノ宮沙也子の声がした。
ニヤつく顔を元に戻し、ドアを開けた。
20畳ほどのスペースに、コの字型に組まれた長机。
上座には、一際立派な皮張りの椅子。
そこに座っているのが、愛しの叶多くんだった。
久しぶりに会えた喜びで、胸がトクトクときめいた。
彼は長い足を組み、ニヤリ笑って歓迎してくれた。
「ようこそ、生徒会へ」
嬉しくて笑顔になる。
ここに入るために、随分と小細工しなければならなかった。
その努力が報われて、達成感と喜びが胸に広がった。