黒愛−2nd love−
黙りこくる雑魚とまだ睨んでくる沙也子に、にっこり笑って追い打ちをかけた。
「この学園の生徒会って、沙也子さんが意のままに操れるメンバーを集めただけなんだね。
そんなヌルイ集まりだから、中野桜子みたいに腐った分子が生まれるんだよ。
学園内に不安が広がったのは、
アナタたちのせいだよ?
そんな黒カビ生えた生徒会に、
正しく反論できる“庶民”という名の光を入れた方がいいんじゃないデスカ?」
ついに沙也子も目をそらした。
この勝負、私の勝ちみたい。
静かな生徒会室で、私は微笑み、
叶多くんはブブッと吹き出して笑い始めた。
焦げ茶色の髪が、さらりと揺れる。
肩越しに素敵な瞳が私を見て、
「やっぱ、お前おもしれぇ」
そう言って褒めてくれた。
「反対意見は消えたようだし、
今日からこいつも生徒会メンバーだから。分かったな」
一件落着したところで、
電話が鳴った。
女子が取り次ぎ、沙也子に受話器を渡す。
「ええ、ええ、……分かりました。すぐに参ります」
どうやら生徒会に仕事が入ったみたい。
受話器を置いた沙也子は、メンバー3人を連れて出て行った。