黒愛−2nd love−
この部屋に残っているのは、
私と叶多くんと、雑魚4人。
彼が雑魚に向けて言う。
「今日はもう帰っていい」
それぞれの席で仕事していた雑魚達が、
「まだやるべきことが……」
そう口答えする。
「帰れ。と言ったのが分かんねぇの?」
彼が声を1トーン落として、
ギラリ睨みつけた。
彼には目力がある。
ゾクゾク痺れるような素敵な目力が。
雑魚どもがビクリと肩を揺らし、
慌てて生徒会室から出て行った。
広い生徒会室に、ふたり切り……
外の雨音が聞こえるくらいに静かだ。
ラブ展開を期待してしまい、
ドキドキ鼓動が速度を上げて行った。
「愛美」
彼が私を引き寄せる。
座らされたのは、太ももの上。
椅子に座る彼と向かい合う形で、
上にまたがった。
彼は私の黒髪に指をくぐらせながら、ニヤリ笑って聞く。
「すげぇな、お前。マジで欠員作りやがって。
あの証拠写真の状況に、桜子をどうやって追い込んだのか……
詳しく教えろよ?」
「フフッ 証拠写真?
何のことカシラ?」
ニッコリ笑ってとぼけると、
彼は楽しそうに笑ってくれた。