黒愛−2nd love−
 


彼の首筋に唇を付けていると、

髪を掴まれ、乱暴に顔を正面に戻された。



至近距離にある双眼は、獲物を狙う獣みたいに光っていた。



ゾクリと体が震えた。


興奮して、子宮の奥に甘いうずきを感じた。



「へぇ……
お前の目的は、俺の愛なのか……」



黒髪をわし掴みにされたまま、
荒々しく唇が押し当てられた。



キスというより、食べられている感じがした。


激し過ぎて、息をすることも出来ない。



酸欠でぼんやりしてくる頭に流れたのは、

小学生の時、食物連鎖の授業で見せられた映像。



シマウマが、ヒョウに襲われていた。



のどにキバを突き立てられ、
潤んだシマウマの黒目が、アップで画面に映し出されていた。



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