黒愛−2nd love−
 


あの時、シマウマが可哀相だと、
クラスメイトの女子が泣いていた。



シマウマが可哀相……?


私にはピンとこなかったその感情が、間違いであると、今ハッキリ気付いた。



“可哀相”ではない。


食べられることは
“カイカン”だ。



自分より強い者の血となり肉となれるのは、無上の喜びだと身を持って知った。




彼の激しいキスに唇は切れて、
口の中に血の味が広がっていた。



酸欠で苦しくて、でもそれが快感で、もっともっと食べられていたかった。



しかし、快楽の時間は急に途切れてしまう。


彼が唇を離してしまったからだ。



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