黒愛−2nd love−
 


立てた親指で、濡れた唇を拭いながら、彼は言った。



「今日はここまで。

愛して欲しければ、もっと俺を楽しませろ」




形のいい唇の端が、不気味に吊り上げられた。



獣みたいな強い瞳は、黒く冷たく光っている。



ああ……

なんて魅力的な人なのだろう……



私の全てを、彼に捧げたいと思った。


彼の全てを、私のモノにしたくなった。



ドロドロに溶け合うくらいに、
もっともっと近くに寄りたい……




――愛して欲しければ、
もっと俺を楽しませろ――



その言葉にコクリと頷き、
彼の上から下りた。



黒髪をなびかせ、足早に生徒会室を後にする。



もっと楽しいこと――

早くそれを作りに行かないと。




――――……





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