黒愛−2nd love−
◇◇◇
6月下旬。
外は蒸し暑さが増しているけど、
学園内は冷房が効いて涼しかった。
今は2時間目終わりの中休み。
次の授業は移動教室のため、
久美と一緒に廊下を歩いていた。
「愛美、生徒会の仕事はどう?
順調?」
久美はニコニコしながら聞いてくる。
この質問をされるのは3回目。
特権階級のような生徒会役員に私が指名されたことが、嬉しいらしい。
「うん、順調だよ。
昨日の会議で、スカート丈膝下20センチの変な規則を廃止したんだ。
けっこう頑張ってるよ」
叶多くんといちゃつくだけじゃなく、生徒会の仕事も、嫌みを言われない程度に頑張っている。
その頑張りについてはどうでもいいのだけど、
もっと頑張らなければいけないことが他にあった。
それは“火種”さがし。