黒愛−2nd love−
 


 ◇◇


深夜0時。

女子寮の自室で、消灯時間を過ぎてもまだ机に向かっていた。



ベッドに入ろうとしている久美が、目をこすりながら私に言う。



「愛美はまだ寝ないの?」



「うん、あと少しだけ……」



「愛美ってエライよね。
生徒会だけじゃなく、勉強も頑張っていて」



「まぁね。先に寝ていいから。
久美、おやすみ」




遅くまで机に向かっていても、
勉強はしていない。



今日みつけた面白そうな彼を、
どうやって料理しようかと考えているだけだ。



放課後、生徒会所有の生徒資料を勝手に覗き、

彼について色々と調べてきた。



2年C組、細根 省吾。


細根建設会社の一人息子だった。



“だった”と過去形で言ったのは、その会社が今は存在しないから。



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