黒愛−2nd love−
 


机に両肘ついて、手の平で両目を覆った。



Hくんに同情して、泣いているわけじゃない。


パソコン画面の見すぎで、目が疲れただけ。



時計を見ると、深夜1時。


お肌のために、そろそろ寝なくてはいけない。



今夜最後の作業に取り掛かる。



クロアイは、新しいスレッドを立てた。



タイトルは、

『みなさんの夢を聞かせて下さい』

という真面目なもの。



スレッドを立てた直後に、
早速1件目のレスが入った。



《僕の夢は父の後継者として社長の座につくこと。
兄が二人いるが、兄弟の中で僕が一番優秀で――》




くだらない自慢話が始まったので、途中で読むのをやめた。



“夢”とは、将来の夢じゃない。


クロアイが書き込んだのは、
こんな夢だ。



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