運命の人

帰り道、同じ方向の電車なのでいつも菜々子と帰っている。
わたしは一駅で菜々子はさらに三駅。
｢うふふ〜｣
わたしの隣で菜々子はにこにこしている。
そう、返事はOKだったらしい。
…遊びなんだろうなぁ。
そんなことを思っていた。
電車に乗ってケータイの電源を入れる。
通知が３件。
２件は加宮さんと実樹から。
もう1件はわたしのことを追加してくれた人。
[久しぶりだな！勝手だけど追加しちまったわ。]
文章でなんとなく誰だかわかった。
名前の所に 綾野賢太 とある。
前のわたしだったらパニックになるだろうけど、その時のわたしはやけに冷静だった。
[久しぶりだね。追加しておいたよ。よろしくね]
綾野に返信して、1つ小さくため息。

そんな再会。