運命の人

友達

バスまでの道を歩くとき、加宮さんは傘をさしながら荷物を2つ持って歩いた。
そんなわたし達の後ろの男子二人はおろおろしていた。
わたしが倒れてもいいように不自然な格好で歩いている。
その姿が面白かった。
綾野は本当に足が治ったみたい。
「気合いって…すごいね」
綾野の顔が明るくなる。
「おぉ!気合いは無敵だ!」
「嘘だよコイツ、さっきトイレでいてーいてーってつぶやいてるのを…」
「わー!わー!うるせー!」
「綾野くんのほうがうるさいです」
ホントはしんどいはずの松葉杖で歩く道。
三人がいると全然苦じゃない。
むしろ楽しいや。
「綾野はどうやって治したの?」
「あー、鈴崎がいつ転んでも支えて守れるようにってな!」
え?
わたしを守るため?
一瞬胸がクッと苦しくなった。
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