運命の人
恋?
遠足が終わって、次の日の放課後からまた部活がはじまる。
「なんで、疲れてるのに無理無理無理」
実樹が林先生に文句を言っている。
「学生に〝疲れ〟なんてない!俺が学生時代の時なんか…」
始まった。長話。
前のわたしなら実樹と一緒に部活休みにしろと文句をいいに行く。
でも、今は違う。
…走りたい。
「なにやってんの」
気づくと目の前に陸生がいた。
「え?…とくになにも」
「そこ、マットあるから取りたいんだけど」
わたしの後ろに体幹やるために使うマットが積んであった。
「あ!ごめんごめん」
わたしは急いでどいた。
「…おう」
陸生、何故か今日は元気ない。
いつもなら、どけ!ぶす!とか言うのに。
「…座れば?立ってるのしんどいだろ」
石段にマットがひいてあった。
わたしのため?
「ありがとう」
松葉杖にも慣れて自由につかえる。
慣れたくなかったけど…。
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