運命の人
授業中。
席替えをしてから1週間ほどしてからクラスに落ち着きが見えてきた。
しかし、前よりうるさくなったのが1人。
「綾野!宮沢にちょっかい出すな!」
「ちょっかいじゃない!愛情だ!」
頬杖をついてなにも言わない宮沢は呆れた顔をしていることだろう。
席替えをしてから綾野は以前よりも騒がしくなっていた。
「ねぇ、静かにしようよ… 」
綾野に声をかけるが嫌だと言うようにあっかんべをしている。
でもわたしは綾野と話せていることに嬉しさを感じていた。
授業中から休み時間、ほとんど一緒におしゃべりをしたりして毎日を楽しんだ。
彼の笑顔を見る度ドキドキして話しかけられないとソワソワして。
なんでか彼といると落ち着いた。
わたしは彼に恋していた。
しかしわたしたちはまだ幼かった。
“恋”を語るにはまだ、幼すぎた。
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