運命の人
放課後の部活。
わたしは魂が抜けたようにぼーっとしていて、にやけていたらしい。
だって嬉しいよね?
告白なんてされたことなかったもん。
「好きだよ、かぁ」
体育のときに二人で見学して座っていたところを見ては告白されたときのことを思い出す。
浮かれるのはいいけど…。
実樹に言わなきゃな…。
怒られるだろうけど、仕方が無いよね。
「あ、みんなのペットボトルに水入れなきゃ」
暑くなってきたからみんな水分をとる回数が増えて減りが早い。
脱水にならないようにも呼びかけもしているし。
男子の分も持って給水できるとこにいく。
すっかり歩くことには支障がない。
日に日によくなる足にわたしは嬉しかった。
ペットボトルに給水していたとき。
宮沢の大声が聞こえた。
「え?」
怒っているようだ。
わたしは不安になって宮沢の声の元へと早足で向かった。
そこでわたしが目にしたのは綾野を殴った宮沢の姿だった。
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