運命の人
むかでリレーや玉入れ、綱引きが終わって次はクラス対抗リレー。
クラスのみんなは収集で行ってしまってまた一人になる。
競技をみるのも楽しいがやっぱり参加したい。
「続いては、二年生のクラス対抗リレーです。選手のみなさんは入場をして下さい」
放送委員のアナウンスの後、一斉に走って入場してくる二年生。
ふざけている人もいれば真剣な人、緊張している人がいる。
加宮さんは真剣なうえ、見てわかるほと緊張している。その証拠にいつもキチっとしているメガネが曲がっている。
「がんばれ…!」
わたしは小さな声で加宮さんに応援する。
彼女が放課後まで一人で走っているのを見たことあるし誰よりも努力している。
二年生が整列してトップバッターがスタートラインにつく。
わたしのクラスからは野球部の長谷部くんがトップバッター。ぽーっとしている子だけどガタイはよくて運動神経抜群。ファンもちらほらいて歓声が上がっている。
ついてるね、わたしのクラスには運動神経のいい人が揃いに揃っている。
「いちについて!よーーい…」
ピストルを空に向けている体育の先生の声がグランドに響いて、選手が構えてしばらくすると乾いた音が辺りに響いて走り出す。砂ぼこりが立って、周りからは応援団の自分の色を応援するこえがあちこちから聞こえる。
負けじとわたしは長谷部くんを応援する。
長谷部くんは先頭を走っている。
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