恋愛感情、一方通行。
体育祭当日!
私立桃谷中学校、通称桃中。
私は桃中に通う中学2年生、谷口 菜乃 (たにぐち なの)。
今日は体育祭。桃中では、五月に体育祭があるため、新しい学年とクラスの第一歩ともいえる。
「あーあ…」
「菜乃、どうしたの?」
声をかけてくれたのは、一番の親友である 島田 実希 (しまだ みき)。
「ううん、なんでもない。早く行こう!」
でも実希には隠し事ができない私。
「そうだね、緊張するね…」
やっぱり実希は私の考えていることがわかっていたみたい。
「…うん。でも頑張るよ!」
私は、そんな体育祭で最も重要なクラス対抗リレーの選手に選ばれていた。クラス対抗リレーは、男女四人ずつが交互に走り、トップは女子、アンカーは男子という感じ。私は5番手だ。
リレーの練習は何度もしたし、個人個人の足の速さも十分だったため、クラス全員がリレーに期待していた。
だから、憂鬱。失敗したらどうしようって、考えてしまう私がいる。
私と実希が靴箱へ向かっていると
キーンコーンカーンコーン…
「やば!予鈴鳴ってるよ!急ご、菜乃!」
「うん!」
教室につくと、大半が既に着替え終わってグラウンドへと向かっていた。私達はは急いで着替えると、ダッシュでグラウンドへと向かった。